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市民会館解体へ 令和元年

≪都城市民会館存続問題市民懇話会≫

都城市総合文化ホール開館後の都城市民会館の存続問題について、
広く市民の意見を反映させるため、設置された。

平成17年7月〜8月


 都城市民会館は、1966年4月に市制施行40周年を記念して、総工費約2億3,200万をかけて建設した文化施設である
 が、開館後38年経過し、建物本体や付帯設備の老朽化が激しいとともに、舞台機構が現在のニーズに合わないなど数多くの
 問題点を抱えている。2006年10月に芸術文化交流拠点施設として
都城市総合文化ホールが開館すると、今まで市民会館
 が担ってきた芸術文化の活動拠点施設としての使命は終了することとなり、市民会館の新たな活用が求められる

                             
                                                                    中間報告書より





この度、市長よりH17年度都城市民会館存続問題市民懇話会の委員を委嘱され、
(社)宮崎県建築士会都城支部の代表として出席する事になりました。


 

第5回懇話会 平成17年 8月 22日

  いままでの意見交換をふまえ、最終回は各委員のそれぞれの立場での意見を述べました。

    それに先立ち事務局より「広報8/1号」で、市民の意見を募集した結果と内容の説明が

  ありました。その中で特に気になる意見がありましたので紹介します。

    『都城の世界に誇れるパブリックアート作品は、市民会館と北泉橋だと思う。市民会館は、パリの美術館
    
    にもレプリカが展示されていると聞くし、イタリアの教科書にも写真が掲載されていると聞く。市民会館は、

    美術的価値があると思うので、市民会館を美術館へ、現在の美術館は島津資料館への転用を提案する。

    建物は壊さずに、生かす方法を考えて欲しい。』・・・

  非常に良い案だと個人的に思いました。
 
    私は、初めから存続派ですので、市民会館は都城の象徴(シンボル)になっている事や

    オーストリアではガスタンク施設が住宅やオフィスになっている事例(写真参照)などを

    紹介し、存続の必要性をアピールしました。






  各委員の意見を解体と存続に分けてみますと

  解体派としては
  
    1.財政的にみて都城市にホールは3つも必要ではない。
      (市民会館・文化ホール・交流プラザ)

    2.地区公民館が各地区に整備されているのでこれをもっと利用すべきではないか。

    3.存続するにしても財政的な面で市民が納得する存続理由がなければ税金のむだ使い

      と非難される。


  存続派としては

     1.市民会館は都城市の活性化を考えるならばシンボル的な存在である。

     2.西駅から合同庁舎へヨコの文化ゾーン又、攝護寺から市民会館を抜け旧領主邸に通

       じるタテの文化ゾーンを考えた時、解体はマイナスである。(現在西駅から合同庁舎へ

       の通りは道路整備中である)

     3.文化施設としての役割がおわっていなければ残していくべきだ。

     4.現在あるものは出来る限り使い続けたほうが良いのではないかと思う。

     5.改修費、維持費等の予算が前面にでると市民の理解は得られにくいのではないか。

       市の広報(8/1)掲載は経済的な視点が大きく取り上げられていた。次回の広報では

       市民会館の文化財としての価値を同じくらいの紙面を使って広報して欲しい。



   という事でした。

   意見交換の途中で、市側から、市民会館としての役割は終えたのかどうかの質問がありま

   した。

   これは、文化ホールが新しく出来るのに、同じホールとして残す理由がないことと、中央公民

   館が古く手狭になっているので、代わりに使用できないかという事です。

   市としては、市民の理解が得られないと存続も解体もできないという大前提があるようです。

   これを受けて意見が活発になり、市民会館としては、大ホールをどう使っていくかというのが

   ポイントであり、色々な改修案がでましたが、改修費に多大な費用をかけられないとなれば、

   今の形態で使用していくしかない事、中央公民館としての使用方法であれば今の使用形態

   とあまり変らないので、可能ではないかという意見がでました。

   まとめると

      1.今の客席を維持するのでなく、席数を500〜600ぐらいにすると、もともとホールが
 
        広いので、いかようにでも改修できる。又、不足している諸機能も追加できる。

      2.ホール兼大会議室として利用できるようにしておけば、小ホールとして各種団体の

        発表の場や吹奏楽等の練習の場としても使用することができる。

      3.ホール兼大会議室であれば、現在のような、大規模な設備が不要になるため改修

        費もそれほどかからないのではないか?

        市の中間報告書の2〜3億で改修できるのでは?


 最終回で市の提案がなされ、意見の総体が存続の方向に向かっていきました。『広報8/1号』

 での意見も再利用は美術館へというものでした。いままでの議論の中で、解体理由や存続理由

 色々ありましたが、中央公民館の案が一番適当な着地点であるような気がします。
       

 以上の意見をふまえこの市民懇話会の総合的な意見としては、

 市民会館は文化ホールとしてではなく、別の用途で存続する。

 又、外観は文化財的な価値が高いため、今のまま残す事が重要である。

 とのまとめで、懇話会を終わりました。



 事務局よりこの懇話会の意見を市民会館管理運営対策プロジェクトチームに反映させ、平成17

 年12月中に市長へ結論を答申するとの事でした。







              5回にわたり懇話会の内容をホームページにUPしました。
              どのような結論になるのか全く予想できませんでしたが3人
              よればもんじゅの知恵で、最終回で良い方向に向かったと思
              います。皆さんはどのようにお考えでしょうか。
              ご意見等があれば、都城市のHPからメールで発信できます。 




第4回懇話会 平成17年 8月 9日

  前回まででほとんど存続・解体各々の意見も出尽くした感じです。

  それぞれの立場は立場として、それとは別に中間報告書の3案について意見交換しました。


 
 《現状のまま存続》

  1.現状でも色々問題の多い建物であるのと、ランニングコストがかかりすぎるため、無理では?

  2.8/1号の広報都城で、中間報告書が広報されました。これを受けて市民に維持管理費

    がどの位かかるかわかりました。その上で再アンケートをすると結果も変わってくるのでは

    ないか?

  3.根本的に会議室や市民が安く使えるホール等が不足しているので、現状のまま存続して
    欲しい。

  4.存続するにしても耐震診断は必要ではないか。



 《改修して存続》

  1.利用方法は中間報告書の内容でなくても良いのではないか。例えば、屋内プール等の

    都城にない施設に改修する事で集客力をつけると、費用対効果もあがるのではないか。

  2.中間報告書の改修費2〜3億は、解体費用と同程度を見込んでいる。仮に中間報告書

    の利用方法以外に画期的な方法が提案され、収益的に期待できれば、改修費用の追加

    については、市としても協議できる。(9月からのプロジェクトチームで検討する旨市役所か

    ら回答あり)

 《解体》

  1.解体して、その後の土地利用については、一時期は公園等でも良いが、周辺の公共施設の

   老朽化が進んでいるので、複合施設を建設して欲しい。

  2.中央公民館が老朽化していて、狭い。近くの美術館、図書館等も古くて狭いため、これらを

    含めた総合文化施設を解体後に建設して欲しい。

  3.都城には、実業団等のスポーツの大会を開催するための設備の整った施設が無い。冷暖房

    完備の体育施設の建設を希望します。



     以上それぞれの案に対する意見です。総合的に考えると、存続については、《現状のまま存続》

    
でも《改修して存続》でも、ホールの使い方がポイントになるように思います。ホールという性格上

     なかなか良い改修案が見当たらないために、《解体》へと流れていくようです。又、解体にしても、

     新しい複合施設の要望が出てきました。こうなると市民会館存続問題とは、次元の違うものになって

     いきそうです。



   次回は最終回です。

     テーマは「今後の市民会館の方向性」です。

   どのような意見の集約がみられるか?

  




 

第3回懇話会 平成17年7月26日

  −− 市民会館の機能建物について  −−

  各意見を箇条書きで紹介します。

 1 建物の特殊な形からみて用途変更は無理なのではないか。
   用途を変えずに使用するのであれば今まで通り使えるのでは。
   又、改修するにしても費用があまりかからない方向であれば、市民の理解を得られるだろう。

 2 今の建物の構造上の問題で、雨漏りは防げないとの鹿大助教授の所見もありホールとしての
   役割は終わったのではないか。無理して後世に残す必要はない。

 3 新しく文化ホール・交流プラザが出来る為、残す必要は無い。

 4 非常に有名な建物であるため、残すべきである。今、財政的な理由で、解体するのはいかが
   なものか。50年、100年先の将来的な評価も含めて考えるべきである。外観が残ることによ
   ってモニュメント的な建物になる可能性がある。

 5 今でも吹奏楽等の練習場が不足している。又,各種会議の会場選定でも苦労している状態
   なので、文化ホール・交流プラザ・市民会館と3つホールがあっても利用率は下がらないの
   ではないか。現状のまま存続して欲しい

 6 現状のまま使用するにしても、多目的に改修して使用するにしても、耐震診断等を実施して、
   建物の劣化等を把握する必要がある。コンクリートの劣化はそれ程大きくないと思われる
   又、この建物が存続に値しない建物だというのは疑問である。

 7 総合文化ホール・交流プラザが出来るので3つもホールは不要。又、維持費修繕費が毎年
   かかってくるので財政的に厳しい。公園等の維持費のかからないものにする。

 8 建物の耐震診断で判断する方法もある。
   存続可能であれば、改修して使用する。
   存続不可能であれば、解体も止むを得ない。
   大改修は複合施設や各種団体の部屋として使用する。解体の場合は、図書館や福祉セン
   ター・中央公民館等の老朽化の激しい施設の建替えとして、総合複合施設の建設用地とし
   て活用する。

         以上、意見は色々ありますが、私は基本的に市民の意見を反映させるべきではないかと
     思います。「都城市民会館の今後の方策について中間報告書」の中にあるアンケートの結
     果は、
《現状のまま存続させる》《大規模な改修をして活用を図る》を合わせて52.4
     %。
《解体する》の47.6%を上回っています。この結果は市民が何らかの形で市民会館と
     関わっていた事の証明であります。この事実を認識すべきだと思います。




    次回は上記の中間報告書の活用方策3案

      @現状のまま存続
      A改修して存続
      B解体

    について意見交換します。



第2回懇話会 平成17年7月21日


建設雑誌 2005年1月号 


 市の事務局より建物に関する建設雑誌等の掲載記事や各新聞の市民会館存続問題に関する

 記事の資料配布と説明があり、それぞれの立場による各委員の意見発表がありました。



 様々な意見がでる中で、(予測の範囲ではあるのですが)大まかに解体派と存続派の2つに

 分かれました。私は、存続派として、意見を述べさせて頂きました。以下はその内容です。

      都城市民会館は日本を代表する著名な建築家の一人である菊竹清訓の設計で、パリの

     ポンピドー現代美術館に模型が展示された事もあり、世界的に有名な建物である。それゆえ

     文化的な価値が非常に高いので、残すべきではないでしょうか。存続するにしても、ただ同じ

     ホールとして残す方法だけにこだわらず、色々な利用方法を考え衆知を集め検討したらよい

     のではないか?

      又、著名な建物であるため(外観的にも)観光の目玉としての役割も、市の宣伝やアピール

     のやり方によっては可能性もあるように思います。実際、建築関係の見学者が訪れていると

     いった新聞報道もあります。(宮日新聞)

      世の中の流れとして、解体して新しく施設をビルドアップする方法は、環境の面からも費用の

     面からも現在は否定的です。学校施設等も、耐震診断、補強設計をし、改修補強工事を行ない

     再利用する方向になっています。今、公共施設は都城市を含め全国的に耐震診断の真最中です。

      解体して公園にでもすれば良いといった意見もあるようですが、解体するにしても2〜3億かか

     ります。又、廃棄物の山を作るだけです。そして、何もかも無くなり、何も残らないのです。

      今せっかく建っているものを設備が古くなったとか、雨漏りがする、経費がかかるという理由で

     解体するよりも、その時代その地域に合った用途に転換し改修して、リユースしていく考えもある

     と思います。建物のコンバージンを行なえば良いのです。そうする事で解体による廃棄物もなくなり、

     環境負荷を抑制することにもなります

      今、都城市には、ウエルネス交流プラザと建設中の総合文化ホールがあります。これに

     市民会館をいれると、3つのホールが将来利用できるようになります。新しいホールができると、

     古いホールの稼働率が悪くなり、ますます赤字になる。それは、当たり前であり、設備の新しい

     ホールの方が良いに決まっています。都城市に3つも、ホールはいらないという意見があります。

     しかし、現在の市民会館の利用率(ウエルネス交流プラザが開館している状態で、11万人の利用

     がある)や、1市4町の合併で人口が17万人に増える事などを考えると、そんなに急激な利用率の

     低下は無いのではないかと思います。

      有名な演劇や演奏は新ホールになると思いますが、地域の発表の場や学校や福祉施設等の団

     体の利用には、今まで通り廉価な使用料で市民会館が利用できるので、それぞれの利用者の住

     み分けが可能であると思われます。

      このような理由から、用途は時代に合ったものにして、文化財として、外観をあまり変えずに,残す

     べきではないかという意見を申し上げました。



  その他色々な意見が出ましたが、解体派、存続派とも、お互い忌憚のない意見を出し合ったと

  いった感じでした。次回は、市民会館の機能・建物・経済・情緒毎に掘り下げた意見交換をする

  予定です




第1回懇話会  平成17年7月7日

  まず、委嘱状の交付があり、委員七名の自己紹介の後、

  平成16年度に提出された「都城市民会館の今後の方策について」(既に消去済)中間報告書

  説明がありました。(これは、前年度に市民会館管理運営対策プロジェクトチームがまとめて、市長に提出したものです)

  その後、現地(市民会館)を実地見学しました。


     市民会館は昭和41年4月1日に開館していますので、多少は傷んでいますが、外観的には、

     まだまだ使えそうなほど、どっしりとした感じです。

     ただ、内部のホールにあっては、設備機器関係、音響関係の老朽化が目に付き、今後使用して

     いくにあたっては、改修が必要な状態でした。


  第一回目は、次回の懇話会の日程をきめて、終了しました。

  次回から、各委員の意見発表交換となりますので、活発な議論が交わされると思います。

  その都度このHPでUPして、いきたいと思います。

 

平成17年8月31日更新








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