耐震診断のいま


建築基準法の耐震基準が強化された1981年6月(昭和56年)以前の住宅については、新基準を満たしていない住宅が
1200万戸あるといわれています。
壁の量が不足しているもの。支え棒が入っていないもの。等々。
自治体によっては、耐震診断士を木造住宅へ、無料で派遣したり、改修費用の一部助成をしたりする所もありますが、なか
なか耐震化が進まないのが現状です。

阪神大震災の犠牲者の8割は、建物の倒壊による圧死、窒息死でした。
現在の耐震基準を満たさない81年以前の全国の木造住宅1200万戸が、同規模の地震で倒壊する危険があるのです。


宮崎県においても、”耐震診断促進事業”として、木造住宅(昭和56.5.31以前)を対象に、耐震診断が行なわれています。
宮崎県木造住宅耐震診断士による一般診断が行なわれます。(住宅倒壊の有無)


都城市においては、 都城市木造住宅耐震診断事業として
  「所有者が行なう耐震診断について、その一部を補助する」制度があります。尚 問合わせは市役所建築課へ



  ※参考   宮崎県建築住宅課による
      
   「みやざき住まいの安心情報バンク」〜ゆとりネット〜

       耐震
       補助制度による耐震診断のすすめ


  ※参考   (財)日本建築防災協会による

       「誰でもできるわが家の耐震診断」



こんな木造住宅は要注意

チェック1 建てた時期 ・昭和56年5月以前
チェック2 増築 ・建築確認など必要な手続きをおこなわずに増築
・増築を2回以上繰り返している
・増築の際に、柱や壁の一部を撤去
チェック3 痛み具合、補修・改修 ・老朽化している
・腐ったり、白ありの被害など不都合が発生
チェック4 建物の形 ・どちらかというとLの字形、Tの字形など複雑な平面
チェック5 大きな吹き抜けがある? ・1辺が4m以上の大きな吹き抜け
チェック6 1Fと2Fの壁面は同じ? ・2F外壁の真下に1Fの内壁又は外壁がない
チェック7 壁の配置バランス ・1F外壁で車庫の大きな窓などで、壁が全くない面がある
チェック8 屋根・壁の量 ・瓦など比較的重い屋根で1Fに壁が少ない
チェック9 基礎 ・無筋コンクリート基礎や玉石基礎


以上のチェック項目に該当する数が多ければ多いほど、危険度が増すという事です。




しばらく前には、毎日のように新聞,テレビで報道され、全国規模で被害が広がった構造計算偽造事件は

マンションやホテル関係がほとんどで、戸建て住宅には縁遠い事とも思われますが、世間一般に建物の構造の

重大さを知らしめた事で、大変大きな意味があったように思います。

まさに耐震診断で問われているのは、この構造のことなのです。

目に見えない壁の中にこそ、建物のもっとも大事な部分が隠れているのだという事を改めて思い知らされます。



平成23年10月28日更新