設計コンセプト
玄関の役割とは一体なんであろうか。ただ出入り口というだけでなく、そこは接客の場であったり、
帰宅したという実感を味わう場であったり、家族を送り出したり、まさしくそこは住宅の顔となるべき所である。
そのため、この住宅ではより広く玄関空間を計画し、食堂・和室・居間と直接行き来できるようにした。
2世帯住宅においては、生活のリズムや来客のタイミングが異なる場合が度々ある。例えばどちらかの
夫婦が食事中にもう一方の夫婦の友人が訪問してきたとしても、玄関から互いの居間や和室へ直接入室が
可能となることで、(食堂を通る必要が無くなる。そのため、)どちらかの生活リズムに無理に合わせることも無く
個々が自立しながら緩やかな家族関係の形成が可能である。
所在地/宮崎県都城市吉尾町
主要用途/専用住宅
構造/木造平屋建て
工程------------------------------------
設計期間 1994年9月〜12月 4ヶ月
工事期間 1994年12月〜1995年5月 6ヶ月
規模------------------------------------
敷地面積 659.20u(199.4坪)
建築面積 159.92u
延床面積 154.71u(46.79坪)
西側外観 | |
南側外観 | |
正面玄関 | |
玄関より食堂、台所を見る | |
台所より食堂・玄関を見る | |
食堂天井には、トップライトが設けられ、 非常に明るい |
|
玄関と食堂は中央に位置するため、通風と採光の確保が難しい よって皆がくつろぐ空間として明るく快適な環境を形成できるようにトップライトを設置 また、高齢者がいることに配慮し全室バリアフリー、トイレや浴室には手すりを設ける 等住みやすい家を第一に考えた |
|
居間よりトップライトを見る | |
玄関は若夫婦居間、食堂、老夫婦縁側の 3部屋にアクセスできる。 写真は、縁側から、玄関、若夫婦居間を見る |
|
3パターンの仕切り方 食堂スペースは壁で仕切るのではなく、外しやすい建具を使って区分した。日常は食堂を拠点に家族がコミュニケーションを図り、 なお且つプライベートも保てるように建具によってそれぞれを区分することができる。 若夫婦の部屋を広く使いたい時などは建具を外し、LDKとして使用することが可能である。(Aプラン) また両親の部屋も同様にして部屋を広げることができる。(Bプラン) 2家族合同でのホームパーティを開催する時などは、両方の建具を取り払い、より大きな空間を得ることができる。(Cプラン) |
|
Aプラン 若夫婦に来客があった時など、 Bプラン 両親の部屋を大きく使いたい時 Cプラン 仕切りとなっていた両方の建具を 居間と食堂の仕切りとなっている建具を 外すとさらに大きな空間が生まれ2 取払うと大きなスペースとして使うことが 家族でその空間を楽しむことができる できる |
|
若夫婦居間から玄関、老夫婦和室縁側を見る 居間より玄関、広縁とずっと奥まで続いているのがわかる 手前の白い建具を外すと、食堂につながる 又、トップライトが玄関にもついており、明るく開放的な空間 を創り出している |
|
食堂より居間を見る。左手引き戸は玄関につながる | |
中央食堂より、老夫婦の二間続きの和室を見る | |
二間続きの和室の見返し | |
和室より縁側を見る | |
奥の和室の床の間 地窓は通風と採光を考慮 |
|
縁側 奥は老夫婦のためのトイレ |
|
和室収納 扉オープン 扉は収納の両袖に引き込まれている(フリッパー扉) |
|
和室収納 扉クローズ |
|
ユーティリティー収納 | |
洗面収納 | |
洋室の書斎コーナー | |
縁側と居間のテラス | |
ビルトイン車庫 高低さを利用して建物と一体になった車庫 |